帰ってきました。

gurimoa2006-01-03

俺はお気に入りの場所へ行くために坂を上っていた。祖父母の家から歩いて10分ちょっとの高速道路沿い。某建設会社の土砂置き場。そこから見える山の大きさと空の広さが大好きで、こっちに来るたびに散歩がてら足を運んでいる。今日は生憎の曇り空だけれど、三年間経っても変わってないであろうあの景色に思いを馳せて俺はゆっくりと一歩一歩を踏みしめていった。申し訳程度の柵を乗り越え、目的地へ辿り着く。そして空を見上げて幸せをかみ締めようとしたその時、
「えっ!?」
今まで誰もいなかったはずの場所に…ぽつんと一人、人が立っている。曲がりなりにもココは立ち入り禁止の場所である。土地の持ち主が怒りに来たのかと一瞬よぎったが、こちらを気にする素振りはひとつもなくただ空を見上げていた。恐る恐る近づいてみると、年頃の女の子のようだ。
「あ、あの〜、君?」
と話しかけてみるも、彼女は聞こえていないような感じで見向きもしない。気にはなったがここで帰るのも癪なので自分も空を見上げ景色を楽しむことにした。
………
どのくらいの時間が過ぎただろうか、微かに声がしたので振り向くと、いつの間にか彼女が
目の前に立ってこっちを見つめている。
「うわぁ!」
いきなりのドアップに驚いて大声を出してしまったが彼女に動揺した素振りは見られない。どうやら何かを聞きたいようだ。
「……、好き?」
「え?」
「この場所、好き?」
拍子抜けしてしまった。ここが好きかって?そんなの決まってる――――
「ああ、大好きだよ。君もそうなんだろ?」
彼女は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐ
「……うん。」
と、はにかんだ笑顔をようやく見せてくれた。……不覚にも見とれていた自分がいた。



そんな感じのボーイミーツガールは妄想の中でしか行われませんでした…orz
ついカッとなってやった。反省しても後悔はしたくない。
しかしこういうの初めて書いたんですが、なかなか難しいな〜。イメージはできるんですがそれをハッキリした形に練り上げて文字に的確に表現できるかどうかは別問題。小説サイトやってる友人がいるんですが、そいつの苦労がほんの少しですがわかった気がします。